宅建業(宅地建物取引業)を営むには、都道府県知事または国土交通大臣の許可を受ける必要があります。宅建業法に基づき、不動産の売買や賃貸の仲介を業とする者に求められる重要な許可制度です。
以下の業務を反復・継続して行う場合、宅建業許可が必要となります。
・不動産の売買
・不動産の交換
・不動産の売買・交換・賃貸の代理または媒介(仲介)
なお、自社の所有不動産を賃貸するだけの場合は、宅建業の許可は不要ですが、売買や仲介を行う場合には許可が必要になります。
宅建業許可には、次の2種類があります。
・都道府県知事免許:1つの都道府県内に事務所を設置する場合
・国土交通大臣免許:2つ以上の都道府県に事務所を設置する場合
宅建業の許可を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。
宅建業を営むには、適切な事務所を設置する必要があります。以下の点が求められます。
・事務所として独立性が確保されていること
・業務を適切に行えるスペースがあること
・事務所ごとに「専任の宅地建物取引士」を配置すること
事務所には、宅建士資格を持つ者を「専任の宅地建物取引士」として設置する必要があります。
事務所ごとに5名に1人以上の専任宅建士が必要です。
専任の宅建士は、宅建業に従事する必要があり、他業種との兼業は制限される
宅建業を営むためには、一定の財産的基盤を有していることが求められます。
・自己資本500万円以上(法人の場合は純資産額が500万円以上)
・500万円に満たない場合は、法定の供託金を供託することで許可を受けることが可能
申請者(法人の場合は役員)が以下のような欠格事由に該当する場合、許可を受けることができません。
・破産手続開始決定を受けて復権を得ていない
・禁錮以上の刑に処せられ、一定期間を経過していない
・宅建業法違反により免許を取り消され、一定期間を経過していない
宅建業許可を申請する際には、以下の書類を提出する必要があります。
・宅建業免許申請書
・役員の履歴事項証明書(法人の場合)
・事務所の使用権限を証する書類(賃貸借契約書等)
・専任の宅建士の資格証明書
・資産要件を満たしていることを証明する書類(決算書等)
都道府県知事免許:事務所所在地の都道府県庁
国土交通大臣免許:各地方整備局
申請から許可が下りるまでの期間は約1.5〜2ヶ月程度です。
宅建業の許可を取得した後も、以下の義務を遵守する必要があります。
・営業保証金の供託または保証協会への加入
・標識の掲示(事務所に「宅建業者票」を掲示)
・帳簿の備え付け(取引台帳や重要事項説明書の管理)
・更新手続き(5年ごとに更新が必要)
宅建業を営むには、厳格な許可要件を満たす必要があります。適切な事務所の設置や専任の宅地建物取引士の確保、資産要件の充足など、多くの準備が必要となります。行政書士として、申請のサポートや書類作成を行い、スムーズな許可取得を支援します。
宅建業許可に関するご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。